相続放棄した不動産でも責任は生じるってホント??

2024-12-19

相続

八王子 不動産 相続


以前のブログで「負動産の相続」についてお話いたしました。

▼▼ 前回の記事はこちら ▼▼
 負動産の相続はしない方が良い?賢い対応法と手続きの進め方

その中で相続放棄についてお話いたしましたが、今回のブログではさらに深堀をして、
相続放棄後の不動産の取り扱いについてお話していこうと思います。


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相続放棄後の不動産管理責任について

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相続放棄については前回もお話した通り、「被相続人の財産や負債を一切引き継がない手続き」のことです。
しかし、相続放棄をした場合でも、特定の条件下では不動産の管理責任が生じることがあります。
2023年4月の民法改正により、相続放棄後の不動産管理に関する規定が変更されました。

従来の相続放棄に関する民法の場合

従来の民法第940条では、相続放棄をした者は、他の相続人が財産の管理を開始できるまで、
自身の財産と同様の注意をもって相続財産を管理する義務がありました。
このため、相続放棄後も管理責任が継続し、相続人が1人だけの場合や、複数の相続人全員が
相続放棄した場合などは、最後に放棄した者が相続財産管理人の選任を申し立てる必要がありました。


また、相続放棄後も管理義務が生じていたため、
何かトラブルが発生した場合は相続放棄後であっても責任を問われる可能性もあったのが改正前の民法です。

民法改正後の相続放棄後の不動産の取り扱い

しかし、2023年4月の民法改正により、第940条が以下のように変更されました。


新民法第940条:
相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。


この改正により、相続放棄者が管理義務を負うのは、
「放棄の時に相続財産を現に占有している場合」に限定されました。

「現に占有」とは、物理的にその財産を所持・支配している状態を指します。
例えば、被相続人と同居していた相続人が該当します。

相続放棄後の具体的な対応

相続放棄後の具体的対応を簡単にまとめますと、2つに分けることが出来ます。


相続放棄後の対応
●現に占有している場合:
相続放棄者が不動産を占有している場合、相続人や相続財産清算人に引き渡すまで、その不動産を適切に保存する義務があります。保存義務を怠ると、損害賠償請求のリスクが生じる可能性があります。
●占有していない場合:
相続放棄者が不動産を占有していない場合、管理義務は生じません。しかし、相続人全員が相続放棄をした場合、その不動産は最終的に国庫に帰属します。この手続きには、利害関係者や検察官が家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立て、清算人が不動産の処分や債務の清算を行います。

ちなみに民法改正によって相続放棄後の管理義務がなくなり保存義務となったという事が出来ますが、
この保存義務についてはどの程度の保存を求められるのか、現状あまり明確に定まっていないようです。

相続財産清算人の選任手続き

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相続財産清算人を選任する際には、
被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に複数の書類を提出しなくてはいけません。
代表的なのは以下の書類です。


相続財産清算人を選任するために必要な主な書類
●申立書
●被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本
●被相続人の住民票除票または戸籍附票
●財産を証明する資料(不動産登記事項証明書など)
●相続財産清算人の候補者がいる場合、その住民票または戸籍附票…など

詳細な手続きや必要書類については該当する不動産や審理の状況によって変わる場合もあるので、
専門家に相談することをおすすめします。
ここでは複数の書類を用意して準備しなくてはいけないということだけ抑えていただければと思います。

相続放棄を検討する際の注意点

相続放棄は、相続開始を知ってから3か月以内に手続きを行う必要があります。
また、相続放棄後の不動産の管理責任や手続きは複雑であり、専門的な知識が求められます。
そのため、相続放棄を検討する際や手続き中には、弁護士などの専門家に相談し、
適切なアドバイスを受けることが重要です。

まとめ

相続放棄した不動産は法律上の取り扱いが複雑で放置するとトラブルの原因となりますし、
相続放棄後の不動産管理は法改正により状況が変化しています。最新の情報をもとに、適切な対応を心掛けましょう。


相続放棄を検討する場合は、不動産の現状を十分に確認し、適切な専門家の助けを借りることが大切です。
また、放棄する前に売却や譲渡を試みることで、余計なリスクを回避できる可能性があります。
あくまで相続放棄は最終手段として考えて慎重に判断しましょう。

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