2024-05-16
不動産の売却を考え始めたとき、最初に直面する課題が「媒介契約」です。
この媒介契約とは、「売主様の物件を売却するために不動産会社と売主が結ぶ契約」のことで、
媒介契約によってはじめて不動産会社は売主様の物件の売却を手伝うことが出来ます。
ただ、一口に媒介契約といっても3種類の媒介契約が存在し、それぞれにメリット・デメリットがあります。
売主様の状況によってベストな契約方法は違いますので、それぞれの特徴を深く理解し、
自分の状況に最も適した契約を選択することが不動産売却成功への鍵となります。
この記事では、不動産媒介契約の種類とそれぞれの特徴についてお話していきます。
まず媒介契約には下記の3種類の契約方法があり、それぞれにこのような特徴があります。
どの契約形態もそうですが、媒介契約自体は結んでも費用が発生するようなものではありませんし、
適切な理由があれば契約期間中に契約解除も可能ですので、安心してもらえたらと思います。
では1つ1つメリットとデメリットを確認していきましょう。
一般媒介契約は、複数の不動産会社と同時に契約を結ぶことができるのが最大の特徴で、
より多くの業者が売却活動を行えるため、買主を見つける可能性を高められるのがメリットと言えるでしょう。
ただし、この「より多くの業者が売却活動を行える」ということが、反対にデメリットになることが非常に多いです。
なぜなら不動産会社にとっては、売却活動をしても他社で契約してしまうリスクがあり、
売却活動をしても費用だけ取られて利益(仲介手数料)がもらえないことが出てきてしまうからです。
そのため、多くの会社が売却活動自体を消極的にしか行わなくなる可能性が高いです。
こちらの細かいメカニズムに関しては不動産業界の利益構造と密接に関わっており、
話すと長くなりますのでまた別の機会にお話しできればと思います。
そのほかにも、売主様への売却活動報告が任意のため、実際に売却活動をしているかは不透明だったり、「REINS(レインズ)」という不動産会社だけが見れるポータルサイトへの登録が任意のため情報の公開性が不透明だったりと、一般媒介契約には色々デメリットもあることを覚えておきましょう。
専任媒介契約・専属専任媒介契約は、複数の不動産会社と契約できる一般媒介とは異なり、
1社のみと契約を結ぶ形態です。
1社のみと契約するため、契約する不動産会社を間違えてしまうと物件の情報を抱え込まれてしまい売却まで時間がかかるリスクもありますが、通常はそのようなことはありません。
仲介手数料を得るために、一般媒介契約とは異なり積極的に売却活動を行ってくれる可能性が高いため、
早期の売却につながることが多いです。
また、専任媒介契約・専属専任媒介契約の契約形態の違いですが、1点以外はほぼ同じものになります。
専属専任媒介契約の方がREINSに早期登録する必要があり、
売却活動報告を高頻度で行う必要があるなどの微妙な違いがあるだけです。
異なる1点とは、専任媒介契約は買主様を自分で見つけた場合、契約した不動産会社を挟まなくても契約することが可能ですが、専属専任媒介契約は買主様を自分で見つけても、必ず不動産会社を挟んで契約する必要があることです。
興味がある友人を見つけた、物件の近所の人から連絡があった、親戚が買い取ると言っている、などたまにあるケースですが、そのような場合でも専属専任媒介契約では不動産会社に仲介を任せ、仲介手数料を支払わなくてはいけません。
ただし、自分で買主様を見つけるのは滅多にないことですし、
契約時や契約後のリスクを嫌って不動産会社に仲介を任せることがほとんどです。
したがってこの部分での違いについては大きく気にする必要はないと思われます。
不動産売却における媒介契約は、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3つがあります。
冒頭にお話ししたように、売主様の状況によって選ぶべき契約は違います。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解したうえで自分の状況に最適な契約を選ぶことが大切ですが、
もし『どれを選んだらいいか分からない…』と感じている売主様がいたら、
売却活動を積極的に行ってもらえ、かつ柔軟に対応しやすくバランスの良い専任媒介契約をおススメいたします。
ただ、最後にお伝えしておきたいことは、
契約形態以上に不動産売却を成功させるために最も大切なのは信頼できる不動産会社と契約するということです。
契約前の調査をしっかりと行い、悔いのない不動産売却に出来るようにしましょう。
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