2024-05-18
以前「居住中の不動産売却について」のブログにて、「ダブルローン」に少し触れました。
以前の記事はこちらからご確認ください。
▼ブログ記事:住みながら売る!居住中の不動産を売却するポイントとは?
不動産の住み替えを考える際、現在の住居の売却と新居の購入を同時に進めるために
ダブルローンを利用することがあります。
この記事では、このダブルローンの仕組みや、メリットとデメリット、
使用する際の注意点などについて具体的にお話していきます。
ダブルローンとは、「新たな住居を購入するためのローンと、現在の住居のローンを同時に持つ」ことを指します。
どういうときにダブルローンが発生するかというと、
主に「住み替えをする場合」と「別の住居(セカンドハウス)を購入する場合」の2つのケースが該当します。
セカンドハウスを購入する場合は、別荘目的や親族へ購入してあげる場合などになりますので、
あまり良くあるケースではありません。
一般的なのは住み替えをする場合で、一時的に二つの住宅ローンを同時に返済することになります。
(ちなみに、このような新居の購入を現住居の売却より先に行うことを「買い先行」と言います。)
ではダブルローンのメリットとデメリットはどのようなものがあるでしょうか?
まずダブルローンの利用には以下のようなメリットがあります。
市場の状況や物件の条件が良いタイミングで新居を購入できるようになるのは、
人気のエリアで物件の購入を考えている場合はかなりのメリットです。
人気エリアの場合、『いい物件が有ったけど、売却を待っている間に他の人に取られてしまった…』
というケースが時々起こります。
ダブルローンの場合は事前審査を先にしておくことで、
物件の売主様も不動産会社も資金面での不安がなくなるため購入までスムーズになったり、
資金待ちで他の購入希望者に取られるという事を減らすことが出来ます。
現住居を売却してから次の物件に引っ越す「売り先行」の住み替えの場合は、
売却のタイミングを綿密に合わせない限りは次の物件に引っ越すまで仮住居に住むことになります。
費用的にはダブルローンを使用することとあまり変わらないと思いますが、
仮住居を探す時間や引っ越し業者の手配などの手間を考えると、仮住居を用意するのはとても大変です。
ダブルローンを使用することで現住居から新居への直接の住み替えが可能になり、手間の軽減につながります。
一方で、ダブルローンの利用には以下のようなデメリットも存在します。
やはり二つの住宅ローンを同時に返済するため、月々の返済額が大幅に増加し、
経済的に負担がかかることが一番のデメリットになります。
期間限定とはいえ、月々数万円~十数万円だったローンの支払いが倍近くになりますので、
家計を圧迫することは必然です。
そもそもダブルローンを組むためには、金融機関の厳しい審査を通過する必要があります。
1つの住宅ローンを組む以上にはるかに返済能力や信用力を求められるため、
条件を満たすことが難しく借りたくても借りられない場合が多々あります。
また、住宅ローンは完済する年齢を70~80歳と定めている金融機関が多く、
年齢によっては経済状況に余裕があっても借りられなかったり、
返済期間を圧縮するために月々支払いが多く設定されるケースがありますので注意が必要です。
『このくらいの期間ならダブルローンでも問題なさそう…』と事前に考えてダブルローンに踏み切る場合、
現住居が計画通りに売却できないリスクのことも考えておかなければいけません。
通常の仲介による売却の場合、予定していた売却期間より長くなることは往々にしてありますので、
予定していたより長期間にわたり二重のローン返済をすることになってしまう可能性があります。
また、よくあるケースとして、
『売却が思い通りに行かなくて予定より安く現住居を手放すことにした』ということがあります。
高値で売れないより値下げしてでも売った方が良いので、値下げ自体は悪いことではありませんが、
無理な売却をするとさらに資金面で苦しくなることとなることだけ念頭に置いておきましょう。
ダブルローンを利用することを検討するときは、あらかじめ下記については考えておきましょう。
ダブルローンを利用する際、その返済が家計にどの程度の影響を及ぼすのか、
それを十分に理解した上で詳細な資金計画を立てることが非常に重要となります。
とは言っても、ご自身でどのくらい費用が発生するのか分からないのが普通だと思いますので、
不動産会社や金融機関・ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しておくとよいでしょう。
また、資金計画を立てる中で、旧住居の住宅ローン控除がなくなることについても注意が必要です。
物件を購入する方は住宅ローン控除を活用している方が多いと思いますが、
住宅ローン控除は「原則として本人の居住が必要」であるシステムなので、
新居に引っ越してしまうとその条件から外れてしまいます。
ただ、新居にて住宅ローン控除は再度受けられるようにはなりますので、
事前に新居が控除の要件を満たすかどうかについては調べておきましょう。
先に述べたように、ダブルローンの負担を減らしながら活用するには、
現住居の売却活動を円滑に進めつつ理想の新居を早急に探すことが求められます。
そのため、不動産会社の選び方がとても重要です。
金融機関によってもダブルローンの審査が通るところと通らないところがあったりしますので、
地域の不動産・金融情報に強く、住まい探しをしっかりやってくれる不動産会社を選択しましょう。
ダブルローンは、新居の購入タイミングを調整し、住み替えをスムーズに進めるための有力な手段となります。
しかしながら、その利用には経済的な負担や審査のハードル、売却リスクなどの事項を十分に理解し、
それらを踏まえた上で慎重に計画を立てることが求められます。
『ダブルローンはデメリットの方が大きいな…』と感じられるなら、無理に行う必要はありません。
つなぎ融資(ブリッジローン)をするという手もありますし、
買い先行ではなく売り先行で住み替えをして賃貸の仮住居を検討する、というやり方もあります。
まずは一度不動産会社や金融機関などのプロに相談して、
どのように住み替えを進めていくのが合っているのかを考えていくことが大切です。
私たち「みどり不動産」は空き家と空き地、相続物件の売却に特化した八王子市の会社です。
いつでも不動産の相談を受け付けておりますので、
『有効活用していきたいけど、不動産のことは全く分からない…』
『八王子市周辺の不動産のことについて教えてほしい』
『○○について具体的に相談してみたい』など、
ご不明な点がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
不動産取引を進める際に避けて通れないのが仲介手数料です。不動産会社は、この仲介手数料を主な収益源としていますが、その仕組みや具体的な内容について皆様は詳しく理解されているでしょうか?この記...
2024-05-22
先日「仲介手数料について」の記事を書かせていただきましたがご覧になりましたでしょうか?まだの方はコチラからぜひご確認ください。 ▼ブログ記事:仲介手数料の秘密:片手取引と両手取引の違いとは...
2024-05-23
中古物件を探していると「再建築不可物件」という物件を目にしたことはありませんか?再建築不可物件とは、「法律や条例の規制により新たに建物を建築することができない物件」のことを指します。再建築...
2024-05-25
前回のブログ記事では「再建築不可物件の特徴」について、メリット・デメリットに触れながらお話していきました。前回の記事をご覧になっていない方はコチラを先にご確認ください。 ...
2024-05-28