2024-05-25
中古物件を探していると「再建築不可物件」という物件を目にしたことはありませんか?
再建築不可物件とは、「法律や条例の規制により新たに建物を建築することができない物件」のことを指します。
再建築不可物件は基本的に相場より安いので、
『建て替えとかは考えていないからお得なのでは??』と考えられる方もいるかもしれません。
確かに再建築不可物件はメリットもありますが、色々と注意しなくてはいけない点やリスクも多いです。
以前書いた「不動産売却vs買取」の記事でも少し触れていますので、
良ければこちらの記事も併せてご確認ください。
▼ブログ記事:不動産売却vs買取:あなたに適しているのはどっち?②
皆様には一度正しい情報を得てから購入を検討するようにしてほしいので、
今回の記事では、再建築不可物件の特徴やリスクについて詳しくお話していきたいと思います。
\お気軽にご相談ください!/
まず再建築が出来なくなっている理由ですが、
その土地が建築基準法上の「接道義務」を果たしていないことが一般的な理由です。
(その他にも該当地区の条例などが関係している場合もあります)
接道義務とは、「原則として幅員(道路の幅)4m以上の道路に、2m以上接した敷地(土地)のみ建築可能」
というもので、道路に土地が接していない場合は建築が出来ませんし、
道路に接していたとしても幅員4m未満であれば建築基準法上の道路とはみなされず、原則建築は出来ません。
原則とされているのは、道路には「42条2項道路」という
「隣接する土地に建築が許可されている4m未満の道路」があるためですが、
お話しすると長くなりますのでまたの機会に記事にしたいと思います。
また良くあるのが、『そもそもなんで再建築不可なのに今建築物があるの…?』という疑問です。
これは、再建築不可物件がある土地に現存している建物は、建築基準法が制定される以前に建っていたり、
都市計画区域や準都市計画区域に指定される以前に建てられているためです。
(都市計画区域や準都市計画区域に指定されていない地域には接道義務が発生しません)
再建築不可物件についてなんとなく理解が進んだと思いますので、
次は再建築不可物件のメリットとデメリットについてお話していきます。
まず再建築不可物件のメリットについてお話していきます。
最初に話した通り、再建築不可物件は相場価格より安く購入できることが多いです。
このため初期投資を抑えることが可能ですので、
予算が限られている場合でも不動産購入の選択肢を広げることが出来ます。
再建築不可物件は資産としての評価が基本的に低くなります。
これだけ聞くとデメリットのように感じますが(※実際デメリットでもあります)、
固定資産税がその分安く済むのは十分なメリットと言えます。
何年も、もしかしたら何十年も住むことを考えたら、毎年発生するランニングコストを安く抑えることで
居住後のライフスタイルをその分良く出来るのは魅力的です。
再建築不可物件は再建築に当たる「増築」や「改築」は出来ませんが、
それに当たらない程度のリフォームは行うことが出来ます。
物件価格が抑えられる分、リフォームに費用をつぎ込むことが出来ますので、
リノベーションなどに興味がある方は再建築不可物件も良い選択肢となるかもしれません。
再建築不可物件の場合、リフォームは「建築確認検査が不要な工事」のみ実施可能になります。
やりたいリフォーム内容があるなら実際に実施可能なのか、不動産会社やリフォーム会社に事前に確認しましょう!
次に再建築不可物件のデメリットについてお話していきます。
改めてのお伝えになりますが、再建築不可物件なので
一度解体して更地にした後はもう一度建築することは出来ません。
また、先に述べたように、「増築」や「改築」に当たるリフォームも禁止されています。
ここで絶対に抑えておかないといけないのが、
地震での倒壊や火災での焼失などの天災が発生したケースでも再建築することは出来ないという事です。
再建築不可物件は基本的に築古物件になりますので、どうしても災害によるリスクは大きくなる傾向があります。
天災はいかに予防しても完全に防ぐことは出来ません。
購入前にあらかじめこのリスクについては把握しておきましょう。
再建築不可物件は資産価値が通常の物件と比べて下がりやすいです。
これは、建物(土地)の利用方法が限られてしまうことが大きな原因です。
通常の物件であれば、自宅として使わなくなった後も、リフォームして売却したり賃貸物件として貸し出したり、
もしくは更地にして土地として売却したりと選択肢が取れますが、再建築不可物件はそうはいきません。
例えばリフォームして売却しようとしても、
柱や梁・床などの主要な構造部分は建築確認申請が要るためリフォームが出来ず、
老朽化によって腐敗してしまうと安全性を確保するのは難しくなります。
賃貸物件として貸し出すのも、安定した客付けが出来なかったり、
賃料を安く設定せざるを得ないため利回りが下がったり、苦労することが多くなります。
土地として売却しようとしても、土地としての活用方法が限られるため、
購入希望者が現れなかったり、売却価格が安くなってしまいます。
このように、居住用不動産としての役割を終えた時、
再建築不可物件は資産として活用するのがとても難しくなってしまうのが大きなデメリットとなります。
金融機関は再建築不可物件に対して住宅ローンなどの融資を渋る傾向があります。
これは倒壊リスクや災害リスクが高かったり、
資産としての価値が低いため担保としての価値も同様に低くなるためです。
つまり、金融機関は『いざという時に貸したお金を回収できない可能性が高い』と判断し、
結果として住宅ローンの審査が通らなくなるという訳です。
そのため再建築不可物件を購入する際は全額を現金で支払う可能性が高くなりますので、
資金繰りが難しくなるのが大きなデメリットです。
いかがでしたでしょうか?
再建築不可物件は、法的な制約により新たな建築ができない物件です。
メリットもありますが、それ以上にデメリットもあります。
『建て替えは考えていないから大丈夫』と安易な気持ちで購入を決めるのではなく、
購入後の生活も見越して最終的な結論を出すようにしましょう。
一応、再建築不可物件の土地でも再建築出来る方法もありますので、
機会があれば今後のブログ記事でお伝えしていきたいと思います。
【追記】再建築不可の土地で再建築出来る方法をブログでお話しましたので、続きはこちらからご確認ください。
▼▼ 続きの記事はこちら ▼▼
“再建築不可”物件でも再建築が出来る!?:救済措置と実現方法
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