契約不適合責任について:瑕疵担保責任との違い

八王子 不動産 契約不適合責任


前回のブログ記事では「瑕疵」についてお話いたしました。

▼ブログ記事:不動産の「瑕疵」って何??

その中で軽く触れました、「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」について本日はお話していこうと思います。
契約不適合責任は、これから不動産を購入される方も売却される方も、
両方抑えておいた方が良い内容になっていますので、ぜひご覧ください。
今回のブログ記事では、特に「瑕疵担保責任」との違いについて詳しくお話していきます。


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契約不適合責任とは?

契約不適合責任とは、
「売主が買主に対して契約内容に適合しない物件を引き渡した場合に負う責任」のことを指します。
これは、2017年の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」から変更されました。


契約不適合責任は、売主が物件の品質や性能について、契約通りの状態であることを保証するもので、
契約内容に適合しない場合には売主に対していくつかの対応を求めることが出来ます。
対応内容については後程詳しくお話します。

契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い①

民法改正により瑕疵担保責任から契約不適合責任に変更されたことで、下記のような違いが生じました。


八王子 不動産 契約不適合責任


特に分かりづらい部分が多い、「学説の性質」「適用する対象」「買主が請求できる範囲」について
1つずつ説明していきます。

適用する対象

旧民法の瑕疵担保責任と新民法の契約不適合責任では、適用する対象が異なります。
瑕疵担保責任ではあくまで「隠れた瑕疵」のみであったため、
買主が瑕疵について「善意無過失(注意を払っていたが知ることができなかった状態)」の場合のみ、
瑕疵担保責任が適応されていました。


しかし、契約不適合責任では「契約内容に適合していない対象」全てに適用されるため、
買主の善意無過失は関係なく、契約と違う点があれば契約不適合責任が適用されるようになりました。

学説の性質

瑕疵担保責任と契約不適合責任では、2つの学説に基づき設置されています。
旧民法である瑕疵担保責任は、一般的には「法定責任」説と言われていますが、
一方で「契約責任」説を推す声もありました。
ですが、契約不適合責任に変更になったことで明確に契約責任説が採用されることとなりました。
法定責任説と契約責任説は下記のような違いがあります。


学説の性質の違い
●法定責任説
特定物の売買では、契約上の目的物を引き渡せば売主の責任が免除されるという考え方が基準となっているのが法定責任説です。ただし、これだと買主にとって不利益が生じるため、買主を保護するために「瑕疵担保責任」という法律上の特別な売主の責任が作られました。

●契約責任説
売主の責任は売買契約の内容に適合しているかどうかに基づいて決定されるという考え方が基準となっているのが契約責任説です。引き渡された物件が契約に基づいていない(欠陥がある)場合、契約の不完全履行とされるため、売主に責任が生じるとされるのが「契約不適合責任」となります。

契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い②

買主が請求できる権利内容

八王子 不動産 契約不適合責任


以前の瑕疵担保責任の場合、
瑕疵があった時に買主は①契約解除②損害賠償請求のどちらかを売主に要求することが出来ました。


瑕疵担保責任における権利
①損害賠償請求
瑕疵により買主に損害が発生した場合、買主は売主に対して「信頼利益」の範囲のみ損害賠償を請求することが出来ました。信頼利益とは「瑕疵がないと信頼したことにより生じた直接的損害」のことを指し、登記費用や代替物の取得費用、物件価格の低下などが該当します。

②契約解除
瑕疵が見つかった場合で、「契約をした目的を達することが出来ない」ときのみ、買主側から売買契約を強制的に解除することが出来ました。瑕疵の内容が修復可能・対応可能なものであった場合は、契約した目的を達することが出来ないとは言えなくなりますので、契約解除権が適応されないのが問題視されていました。

民法改正で契約不適合責任に変わると、上記の2つの要求に加えて、
新しく③追完請求④価格の減額も可能になりました。


契約不適合責任における権利
③追完請求
契約不適合があった場合、買主は売主に対して該当物の補修や、代替物・不足品の納品などを請求し、当初の契約内容通りになるように対応してもらうことが出来ます。

④価格の減額
追完請求をしても履行されない場合や、買主に請求が拒絶された場合などは、買主は売買価格の減額を請求することができます。減額の額は、不適合の程度に応じて決定されます。

またその他にも契約不適合責任に変わったことで、
①損害賠償請求において、請求できる範囲に「履行利益」の範囲も追加されました。
履行利益とは「契約通りの物件であれば得られていた利益」のことを指し、
例えば予定されていた転売の差額利益分などがこれに当たります。


②契約解除においても、「契約をした目的を達することが出来ない」という条件が撤廃され、
不適合度合いの大小によって判断されるようになりました。


このように、瑕疵担保責任から契約不適合責任に変わったことで、
買主の補償内容が厚くなり売主の責任が重くなったと言えるでしょう。

まとめ

契約不適合責任は、不動産取引において売主と買主の双方にとって重要な概念です。
旧民法の瑕疵担保責任から新民法で契約不適合責任に変わったことで、
売主に求められる責任や対応は確実に増加しました。
購入の際に契約内容と適応しているか確認するのはもちろんのこと、
売却の際には購入以上に契約内容に気を付ける必要があります。


『持っている不動産を売却したいけど契約不適合責任を請求されたらどうしよう…』とお困りな方は、
契約不適合責任を免責する方法もありますので、そちらについては次回のブログでお話しできればと思います。

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