2025-03-04
土地を売却する際、高低差があると「売れにくい」と言われることがあります。
なぜ高低差がある土地は売りづらくなるのでしょうか?
今回のブログでは、高低差のある土地を売る際の問題点と解決策について詳しく解説します。
高低差のある土地には多くの課題があり、代表例をあげると下記のような点があります。
高低差がある土地では、造成工事や擁壁の設置が必要になることが多く、その分建築コストが上がります。
具体的には、土地を平らにするための土工事、斜面を支えるための擁壁の設置、
または階段やスロープの設置などが必要です。
これらの工事には多額の費用がかかり、場合によっては数百万円以上になることもあります。
さらに、擁壁の材質や構造によっても費用は大きく変わります。
例えば、コンクリートブロックや鉄筋コンクリートの擁壁は高強度ですが、その分コストが高くなります。
一方、天然石や木材を使った擁壁は見た目が良く、自然に調和しやすい反面、耐久性に劣ることがあります。
これらの選択肢によっても工事費用が変動するため、事前に十分な検討が必要です。
また、地盤が不安定な場合は地盤改良工事が必要になることがあり、さらにコストが増加します。
地盤改良には、表層改良、柱状改良処理などの方法があり、
土地の地質や強度に応じて適切な工法を選ぶ必要があります。
これらの工事が必要になることで、買主にとっては購入後の負担が大きくなるため、敬遠されがちです。
土地の高低差によっては、宅地造成等規制法の対象となる場合があり、開発許可が必要になることがあります。
この法律は、土砂災害を防ぐために制定されたもので、特に高低差が大きい土地では規制が厳しくなります。
例えば、安全対策で擁壁を設置しないといけない場合があり、
擁壁の高さが2m以上になる場合は建築確認申請を新たに通さなければいけません。
また、擁壁の構造は安全性を確保するために、鉄筋コンクリート造や石積み工法など、
法令で定められた基準も満たしていなければなりません。
これにより、施工費用がさらに高くなることがあります。
高低差の程度によっては、以前のブログでお話した「がけ条例」にも引っかかる可能性があります。
詳しくは前回の記事をご確認ください。
▼ブログ記事:がけ地の不動産は危険?がけ条例を理解して安全な選択を
これらの規制が不動産購入を検討する買主にとっては煩雑であるため、購入をためらう原因となります。
傾斜地では、平坦な土地に比べて住宅や建物を建てられる範囲が限られることがあります。
特に、大型の建物を建てたい買主にとっては、不向きな場合が多いです。
また、駐車スペースを確保するためにスロープを設置する必要があるなど、
設計の自由度が制限されることがあります。
設計の工夫次第では、眺望の良さを生かした設計や、
スキップフロアを取り入れた個性的な住宅を建てることが可能です。
例えば、高低差を利用して車庫を設けてスペースを有効活用したり、道路や隣地からの視線を避けながら
眺望を活かした大きな窓やバルコニーで開放的な部屋作りをすることもできます。
一般的な住宅の建築設計とは異なりますので、
購入を検討される方は出来るだけ設計力が高い工務店・ハウスメーカーに依頼するようにしましょう。
高低差のある土地は、心理的な要因も購入・売却時にマイナスに働くことがあります。
高低差があることで普通の土地より地盤が弱いのではないか、大雨などの災害時に危険性が高いのではないか、
といった不安を抱く買主も少なくありません。
高低差のある土地は、建築コストの増加や法規制、設計の制約、心理的な不安から売れにくい傾向があります。
対策として、事前準備や魅力的な建築プランの提案が有効に働きやすいです。
高低差がある土地にも良い点はありますが、こういったデメリットがあることも頭に入れたうえで購入を検討したり、
売却活動を進めていくようにしましょう。
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