2025-03-16
マイホームを購入する際に利用する「住宅ローン」と、不動産投資を目的とした「投資用ローン」。
どちらも不動産を購入するためのローンですが、目的や審査基準、金利などに大きな違いがあります。
今回のブログでは、住宅ローンと投資用ローンの違いについて、それぞれの特徴や注意点を詳しく紹介します。
早速ですが、住宅ローンと投資用ローンを簡易的に比較したのが下記の表になります。
項目 | 住宅ローン | 投資用ローン |
---|---|---|
目的 | 自分が住むための住宅購入 | 賃貸収入を得るための不動産購入 |
金利 | 低い(0.3%〜2%台) | 高い(2%〜5%) |
借入期間 | 最長35年 | 最長30年 |
審査基準 | 個人の年収や勤務先が重視される | 年収に加えて、物件の収益性や自己資金が重視される |
転用の可否 | 購入後の賃貸転用はNG | 賃貸経営が前提 |
このように、住宅ローンと投資用ローンは多くの点で異なるローン形態となります。
それではそれぞれのローンについて、これから詳しくお話していこうと思います。
まず馴染み深い住宅ローンのお話からです。
ご存じの通り、住宅ローンは「自分や家族が住むための住宅を購入する際に利用する」ローンのことです。
住宅ローンの特徴として、下記4点が挙げられます。
住宅ローンは、前述した通り自分が住むことを前提としていますので、
あくまで「マイホーム」の購入のみに使用が可能です。
もし、転勤やライフスタイルの変化で住宅を賃貸に出す場合は、場合に応じて色々手続きが必要になってきます。
こちらについては後日別のブログで取り上げますのでお待ちください。
住宅ローンは比較的金利が低く、現在の固定金利は1%〜2%台、変動金利は0.3%〜1%台と、
後述する投資用ローンや他のどんなローンよりも優遇されています。
これは、住宅ローンが社会的に必要とされる商品であり、国や金融機関が支援を行っているためです。
また、住宅ローン控除(住宅ローン減税)などの税制優遇も受けられるため、実質的な負担をさらに軽減できます。
住宅ローンは社会的に必要であり、また金額も大きいため一般的には最長35年まで借りることが可能です。
例えば同じく高単価の車でも、ローンの返済期間は最長10年程度なので、
住宅ローンがどれだけ長いかが分かると思います。
とは言っても若いうちにマイホームを購入して住宅ローンを組めば、
定年退職前に完済できるように設計されていますので安心です。
また、繰り上げ返済を活用すれば、ローン設定時から返済期間を減らすことも可能ですので、
利息分を総支払金額から減らすこともできます。
ただし、支払い能力の問題から多くの金融機関では申込可能年齢は20歳~70歳、
完済時の年齢は80歳未満となっているので、
どうしても年齢的な制限により住宅ローンを長期間で組めない場合もあります。
例えば60歳で住宅ローンの申し込みをした場合、十分な支払い能力があり審査が通ったとしても、
借入期間が最大20年と短くなってしまいます。
また、返済期間が短い分、35年でローンを組んだ時と比べて
毎月当たりの支払い額は多くなってしまうことにも注意が必要です。
住宅ローンの審査では、借りる人の年収や勤務先、雇用形態、借入金額に対する返済負担率などが重視されます。
特に住宅ローンは長期間一定の金額を返済していかないといけませんので、
正社員などの安定した職業に就いていることが審査の重要なポイントとなり、
勤続年数がある程度長いほど有利に働きます。
一方で投資用ローン(アパートローン・不動産投資ローンとも呼ばれる)は、
「賃貸収入を目的とした不動産を購入する際に利用する」ローンです。
マンションやアパートなどを購入して貸し出し、
家賃収入を得ることを前提に組むため住宅ローンとは異なる審査基準が適用されます。
投資用ローンの特徴としては、下記4点が挙げられます。
投資用ローンは、自分が住むのではなく賃貸物件を購入するためのローンです。
そのため、マイホームの購入には利用しません。
(厳密には利用することは可能ですが、特に利用するメリットがありません)
投資用ローンを活用することで、家賃収入を得ることができ、将来的に資産形成を進めることが可能になります。
投資用ローンの金利は2%〜5%程度と、住宅ローンより高めに設定されています。
これは、投資用ローンにはどうしても生活に必要ではないのと、
賃貸経営には空室リスクや家賃下落リスクなどが伴うため、金融機関がそのリスクを考慮しているためです。
そのため、収益計画をしっかりと立て、金利負担を見込んだ運用が求められます。
投資用ローンは住宅ローンよりも借入期間が短く、20〜30年程度が一般的です。
そのため、月々の返済額が住宅ローンより高くなることがあります。
借入期間が短い分、早期にローンを完済できるメリットもありますが、
毎月のキャッシュフローをしっかり管理する必要があります。
住宅ローンは個人の年収や勤続先・勤続期間を重視していますが、
投資用ローンでは加えて購入する物件の収益性(家賃収入がしっかり見込めるか)、
自己資金(頭金の有無)、他の保有資産なども審査のポイントになります。
つまり、住宅ローンに比べて投資用ローンは審査基準がかなり厳しいです。
投資用物件を運用してしっかり利益を出してローンを返済できるのかが焦点となってくるため、
過去の不動産投資経験や管理能力も審査に影響を与えることがあります。
ここまで住宅ローンと投資用ローンに関して簡単に述べてきましたが、
どの内容でも住宅ローンの方が投資用ローンよりメリットがあるように感じられると思います。
『じゃあ住宅ローンで投資用物件を購入すればいいのでは…?』
そう思われるのも分かりますが、これはNGなので絶対にしてはいけません。
住宅ローンは、本来自分が住むための住宅を購入するためのローンです。
そのため、投資目的での不動産購入には利用できません。
金融機関との契約でも「自己居住用であること」が条件として明記されていることがほとんどです。
もし住宅ローンを利用して購入した物件を後から賃貸に出した場合、
金融機関との契約違反とみなされ、ローンの一括返済を求められるリスクがあります。
また、違反が発覚した場合、今後のローン審査にも影響が及ぶ可能性があります。
住宅ローンと投資用ローンは、それぞれ異なる目的で設計されており、
適用条件や金利、審査基準が大きく異なります。
特に住宅ローンは利用者にとってメリットが大きいものとなっていますので、
マイホームを購入する際は積極的に活用していきましょう。
資金計画はマイホームの購入にとって極めて重要なことですので、
『自分でどのくらい借りられるのか分からない…』と思われる方は
ぜひ一度不動産会社に相談に来られることをお勧めいたします!
私たち「みどり不動産」は空き家と空き地、相続物件の売却に特化した八王子市の会社です。
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