2025-11-03

「塩害」について聞いたことはあるでしょうか?
塩害とは、「海から吹く潮風に含まれる塩分が建物や設備に悪影響を及ぼす」現象のことを言います。
海のそばに家を持つことは優雅な生活ばかりが想像されがちですが、海が近いゆえに起こる悪影響もあるという事を忘れてはいけません。
今回のブログでは、この塩害がもたらす不動産価格への影響について詳しくお話していきます。

まず塩害のリスクが高いエリアでは、潮風に含まれる塩分が建物の外壁や金属部分にダメージを与えやすく、通常よりも早く劣化が進行する傾向があります。
これにより、定期的なメンテナンスや修繕が必要となり、維持費がかさむ可能性が高くなります。
そのため、不動産としての評価はやや下がりやすく、購入時や売却時の価格にも影響を及ぼすことが多いです。
買主や不動産投資家の立場から見れば、購入後に発生するかもしれない修繕費用や、将来的な資産価値の減少リスクを考慮する必要があります。
その結果、同じ築年数・広さ・設備条件であっても、内陸部の物件と比較して価格が控えめに設定されるケースがあります。
たとえば、実際の査定現場では、海岸から数百メートル圏内に位置する物件は、同条件の内陸物件と比べて査定価格が5~10%ほど低くなるといった例も少なくありません。
これは、見た目や立地条件だけではなく、将来にわたってかかるコストやリスクが反映されている結果です。
さらに注意すべき点として、塩害エリアにある物件は住宅ローンの審査においてマイナス評価を受ける場合や、火災保険・地震保険の加入条件が厳しくなる可能性もあります。
これにより、想定していた資金計画にズレが生じることもあるため、事前に金融機関や保険会社への確認を行うことが大切です。

物件を購入する際に塩害リスクを見極めることは、将来的なトラブルを避けるうえで非常に重要です。
特に海岸沿いのエリアでは、見た目に問題がなくても目に見えない部分で劣化が進んでいることがあります。
そのため、以下のようなチェックポイントを意識しておくと安心です。
また、自治体によっては、特定のエリアを「塩害対策地域」として指定し、建物の維持管理に関する情報提供や注意喚起を行っている場合もあり、市役所や区役所などの担当窓口で情報を得られることもあります。
ただ地域に根付いている不動産会社に直接聞くのが最も簡単で早い情報を得る方法ですので有効に活用しましょう。
塩害リスクのある地域に不動産を所有している、あるいは購入を検討している場合には、適切な対策を講じることで建物の寿命を延ばし、資産価値を維持することが可能です。
以下のような具体的な対応策が効果的とされています。
これらの対策を継続的に実施することで、外観の美観を保つだけでなく、構造材の劣化を防ぎ、長期的な修繕コストを抑えることにもつながります。
特に売却時には「適切な維持管理がされてきた物件」として評価されやすくなるため、結果的に資産価値の維持・向上に寄与します。
塩害対策を怠ると、思わぬ出費や資産価値の低下につながるリスクもあるため、日頃からの予防的なメンテナンスが非常に重要です。
ただし、あくまで被害を和らげる方法であるため、完全に塩害の影響をゼロにするわけではないことには注意しましょう。
塩害は目に見えにくいダメージを与えるため、放置すると大きな修繕コストに発展しかねません。
だからこそ、不動産価格への影響を理解し、立地や建物の状態を正しく見極めることが重要です。
海の近くの物件には魅力も多い反面、適切なリスク管理が不可欠です。
購入・売却の判断においては、塩害の影響も含めて総合的に評価しましょう。
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