2025-02-03
離婚に伴い不動産を売却する際、感情的な摩擦や法的な問題が絡み合い、トラブルが発生することがあります。
適切な準備と知識があれば、これらのリスクを軽減し、スムーズな売却が可能になります。
今回のブログでは、離婚時の不動産売却におけるトラブルの原因とその回避策について詳しく解説します。
不動産の売却において、まず離婚前に知っておいた方がよいことはその不動産が「共有財産」に当たるのか、
それとも「特有財産」にあたるのかどちらなのかということです。
共有財産とは「夫婦が共同で所有する財産」のことで、夫婦が婚姻期間中に形成した資産のことを指します。
反対に、特有財産は「夫婦のどちらか片方のみが所有する財産」のことで、
独身時代に形成した資産や、個人で相続した財産などがこれに当たります。
離婚時に住んでいた不動産の売却を行う時、
財産分与の対象となるのは売却する不動産が共有財産であった場合のみです。
不動産の購入費用を折半して取得した場合はもちろんのこと、片方のみが費用負担した際も共有財産とみなされます。
必ず離婚前に売却する不動産が共有財産なのか特有財産なのかは確認しておきましょう。
離婚時の財産分与でトラブルが生じるのは珍しいことではありません。
特に不動産は財産分与が難しい資産なのでトラブルが多発します。
今回は代表的なトラブルを3つ下記に挙げてみます。
不動産の財産分与が難しいのは、資産を分割するのが極めて難しいからです。
半分だけ売却する、なんてことはもちろんありませんので、夫婦間で不動産を「売却する」のか、「賃貸運用する」のか、
「どちらかが住み続ける」といった方針を決めないと財産分与の話は進んでいきません。
特に感情的な対立が深く離婚に至ってしまった場合には、
合理的な判断ができず、交渉が難航することが少なくありません。
不動産の持分割合が夫婦間で不平等だった場合、売却金額の分配方法をめぐって争いが生じることがあります。
例えば、「頭金をどちらが多く負担したか」や「住宅ローンを誰が返済してきたか」といった
過去の出費が問題となるケースもあります。
ただ、購入資金の支払いに一切関与しなかったからと言って、
共有財産であるのならば財産分与がなくなるわけではありません。
家事や育児などへの貢献も考慮されますので、
トラブルに生じそうな際は早めに専門家を交えて話し合うようにしましょう。
購入して間もない不動産を売却するなどの場合、不動産に住宅ローンが残っていることが多いです。
この際、売却金額でローンを完済できないケースがあり、どちらが残債を負担するかを巡って揉めることが多いです。
ローンが完済できないと基本的に所有権移転の必要がある通常の売却は行えませんので、
離婚後も不動産の財産分与について元夫婦間でやり取りをしなくてはいけない、ということに陥りがちです。
上記のようなトラブルを避けるために、ぜひ下記は実践してください。
不動産売却のプロセスは複雑であり、特に離婚が絡む場合には感情的になりやすいです。
そのため、不動産会社や弁護士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家を交え、
中立的な立場からアドバイスを受けることが重要です。
専門家を通じて、合理的な判断とスムーズな交渉を出来るようにしましょう。
また、夫婦間で話し合った内容や取り決めは、必ず文書化して残しておかなければいけません。
不動産の売却金額はとても大きいです。
後々の誤解や不一致を出来るだけ防ぎ金銭トラブルに繋がらないようにしましょう。
不動産を購入した際の持分割合を確認し、売却後の分配方法について早い段階で話し合うことが大切です。
持分割合が不明確な場合は、購入時の契約書や登記簿謄本を確認しておきましょう。
また、過去の費用負担が公平でなく揉めそうな場合は、
適切な解決策を見つけるためにも早めに弁護士に相談することをお勧めします。
ローンが残っている場合、現在の残債額を金融機関から取り寄せ、
売却価格で完済できるか不動産会社とともに確認してください。
仮に完済が難しい場合でも、金融機関に相談すれば「任意売却」や「債務整理」といった方法を
提案してもらえる可能性があります。
任意売却については過去のブログ記事で扱っておりますので、こちらからご確認ください。
▼ブログ記事:不動産の”任意売却”とは?:競売との違い
離婚時の不動産売却は、感情的な要素と法的な問題が絡む複雑なプロセスです。
しかし、適切な専門家に相談し、計画的に進めることで、多くのトラブルを回避することが可能です。
また、夫婦間の話し合いを冷静に進めるためにも、第三者のサポートを得ることを忘れないでください。
不動産の売却を通じて、夫婦がともにより良い新しいスタートを切るための参考になれば幸いです。
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