2024-07-19
前回までのブログ記事では、2回に分けて「契約不適合責任」についてお話いたしました。
契約不適合責任は中古物件を売却・購入する際には、必ず注意しないといけないポイントになります。
前回までの記事をご覧になっていない方はまずコチラをご確認くださいませ。
▼ブログ記事:契約不適合責任について:瑕疵担保責任との違い
▼ブログ記事:契約不適合責任について②:免責の条件と売主が注意するポイント
今回のブログでは、契約不適合責任より重要度は下がりますが、
同じく中古物件を売却・購入する際に意識した方が良い「ホームインスペクション」についてお話していきます。
\お気軽にご相談ください!/
ホームインスペクションとは、
「住宅の専門家が物件の状態を詳細に調査し、建物の構造や設備の状態を評価する」ことを指します。
中古住宅の場合、基本的に物件には何かしらの瑕疵があります。
瑕疵についてはコチラの記事で詳しくお話していますので、ご興味ある方はご覧ください。
▼ブログ記事:不動産の「瑕疵」って何??
ホームインスペクションでは、どのような瑕疵があるのか、その瑕疵はいつ頃修理するべきか、
どのくらいの費用がかかるのか、などの内容をホームインスペクターという専門家が詳しく調べます。
以前はあまり一般的ではなかったホームインスペクションですが、
近年は中古物件の需要も高まってきたことで実施する人も増加傾向にあります。
発生する費用は大体4~10万円程度で、住宅種別(マンションor戸建て)や検査項目数によって金額は前後します。
ホームインスペクションは特に売主側の実施が義務化されているわけではないため、
実施する際は依頼した方が費用を負担することになります。
買主が費用負担することもあるように、
ホームインスペクションは売主だけではなく買主にもメリットがある検査です。
まずは売主のメリットからお話していきます。
売主にとってのホームインスペクションのメリットは、物件の信頼性を担保できることです。
実施することで、物件の状態を正確に把握することが出来るので、
『中古の物件だから何か問題があったらどうしよう…』といった購入者の不安を取り除くことが出来ます。
また、中古物件で「ホームインスペクション済みの物件」として売り出すことで差別化要素となりますので、
購入者が見つけやすくなり、早期売却・高額売却の可能性に繋がります。
事前に物件の欠陥や修理が必要な箇所を特定することで、
後から発生する可能性のあるトラブルや損害賠償請求を防ぐことができます。
売主は瑕疵がないと思って売却しても、契約後に買主に瑕疵の報告を受けると
契約不適合責任から何かしらの保証をしなくてはいけません。
インスペクションを事前に行うことで、物件の状態をある程度正確に把握することが出来ますので、
買主からの理不尽な請求やクレームと言った売却後のトラブルを未然に防ぎ、
スムーズに取引を進めることが可能になります。
ホームインスペクションを通じて、購入を検討している物件の状態を詳細に確認できます。
これにより、結果が良ければ安心して物件を選ぶことに繋がりますし、
結果が悪くても不具合による将来的なトラブルを回避できることは十分メリットとなると思います。
また、通常ホームインスペクションは個人が販売している中古物件に対して行いますが、
業者が販売している新築物件に対して実施することもあります。
この場合、業者が行う竣工検査と合わせて、第三者が行うホームインスペクションを行うことになりますので、
施工不良がないか徹底的にチェックすることが出来ます。
施工不良が見つかれば引渡し前に修繕を求められますし、購入を回避する判断も下しやすくなります。
物件の状態を詳しく知ることで、不具合や瑕疵があった場合でも、購入後にどこを修理したらよいのか、
いつリフォーム・リノベーションをすればいいのかなどの修繕計画を立てやすくなります。
中古物件の修繕は場合によっては数百万かかることもありますので、
資金計画を適切に立てられることで将来的な不安を幾分か無くすことが出来ます。
これまでホームインスペクションのメリットに注目してお話してきましたが、デメリットももちろん存在します。
最も代表的なデメリットは前述した費用の問題です。
特に買主がホームインスペクションを行う場合は、
購入希望の物件全てに行うとそれだけで数十万円の費用が発生してしまいます。
実施する場合でも、最終検討段階の物件1,2件に絞って行うようにしましょう。
また、全ての瑕疵を発見できるわけではないことにも注意が必要です。
調査会社によって確認の精度が異なっていたり、
検査内容もオプションの有無によっては表面的なものだけで終わる可能性もあります。
ホームインスペクションは第三者機関が行うため中立性はある程度担保されていますが、
それでも瑕疵の見落としがある可能性があることは念頭に置いておきましょう。
ホームインスペクションは、住宅購入時にも売却時にも関わってくるステップです。
特に中古物件を購入・売却する際は、ホームインスペクションを通じて物件の状態を詳細に把握することで、
安心して取引を進めることができます。
買主・売主にもメリットがありますが、調査会社によって精度は変わってきますので、
実施する際は信頼できるインスペクション業者を選び、しっかりと調査を行えるようにしましょう。
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